尿漏れ、尿失禁の漢方的(東洋医学的)原因と治療法
尿失禁には漢方は有効な手段の一つと考えられますが、切迫性尿失禁や反射性尿失禁などの脳梗塞や脳出血、脊髄損傷などに問題が生じている場合は、それらに対しての治療の併用場や、合によっては治療が難しい場合もあります。

尿漏れ、尿失禁と腎虚
尿漏れ、尿失禁を起こす漢方的(東洋医学的)原因は様々ですが、その中で最も重要なのは腎虚です。腎虚とは簡単に言えば老化(身体の全体的な機能低下)です。
尿漏れ・尿失禁は老人の女性によく出てくる症状の一つですが、出産後の女性にも見られる症状です。出産によって自分の生命力を子供に与えるため、自分の生命力(腎気)が低下するため起こるのです。
漢方では尿の排泄に関わる直接の臓器は膀胱と考えていますが、その大元は腎と考えています。この腎とは西洋医学でいう腎臓よりももっと広い概念なのです。一言で言えば老化に関わる臓器なのです。東洋医学(漢方)の腎の働きは主に以下のとおりです。
・腎臓(泌尿器全般)
・生命力
・生殖能力
・免疫力
・便(小便・大便)の排泄能力
・ホルモン分泌
・骨代謝(骨粗しょう症の予防)
東洋医学(漢方)では尿漏れ、尿失禁は老化や様々な原因で消耗した結果、腎が弱った(腎虚)、たため下腹部の力が低下して生じる症状と考えられるのです。そのため腎を補うことが老化を防ぎ生命力を回復させてゆくことであり、その結果尿漏れも改善すると考えられているのです。

漢方的原因と代表処方
尿漏れ、尿失禁の主な原因は腎虚と考えられますが、それ以外にも脾気虚や冷え、心因性問題などから生じる場合もあります。

腎虚(老化)
八味地黄丸・・・腎を温め、老化を防止して自然治癒力を高め、尿漏れ、尿失禁を防ぐ
牛車腎気丸・・・八味地黄丸の働きに血行を良くする働きと、利尿作用が加わったもの

脾気虚(内臓筋の低下、エネルギー不足)
補中益気湯・・・気(エネルギー)を補い、内臓筋の働きをしっかりさせ、尿漏れ、尿失禁を防ぐ

心気虚(心因性の問題)
清心蓮子飲・・・心を鎮め、心因性の頻尿、尿漏れ、尿失禁を改善する

陽虚(冷え)
小建中湯・・・内臓を温め働きを良くし、頻尿、尿漏れ、尿失禁を改善する