漢方的アトピー治療法(子供用)
基本的な考えは、消化器系の能力アップ、自律神経の正常化、炎症反応の鎮静化、皮膚表面の老廃物の排泄促進、過剰なエネルギーのなどを目的に行います。

アトピーのお子さんに多い漢方的タイプ
実際には様々なタイプとそれが混合したものが考えられますが、ここでは割と多いものを取り上げで治療法を説明したいと思います。

漢方的アトピー治療法その1
脾虚(消化器に問題のあるタイプ)
乳幼児には一番多いタイプかもしれません。
治療原則は消化器系の能力をアップさせ、食物アレルギーを起しにくくすることです。またこの治療によって腸管が強化されることは、漢方的には肺を強化することに繋がります。漢方では皮膚は肺の延長上にあるものと考えています。そのため消化器系を丈夫にすることは皮膚を丈夫にすることに繋がるのです。目安としては便の状態がよくなると改善傾向と改善傾向と考えます。
代表処方
補中益気湯・・・食欲がなく、元気のないタイプに用います。
啓脾湯・・・上記の症状に、下痢傾向のタイプに用います

漢方的アトピー治療法その2
肺虚(呼吸器に問題のあるタイプ)
これは脾虚がベースにある場合が多いです。それ以外には鼻づまりや風邪を引きやすいなど初期免疫系の機能低下などが複合しています。この原因は西原博士の言われる口呼吸が関係しているのではないかと考えています。
治療原則は消化器の能力アップ+初期免疫系の賦活(実際は脾虚の薬)と重なることが多いです。
代表処方
小建中湯・・・乳幼児のアレルギー全般の体質改善に用いられます。桂枝湯という身体を温める薬に膠飴という麦芽からできた飴状のものが合わさってできています。

漢方的アトピー治療法その3
湿熱(水分代謝と免疫異常による炎症状態を持つタイプ)
いわゆる掻き壊した状態だと考えてもらえばよいと思います。
治療原則は炎症を抑えることです。じくじくの浸出液問題もありますが掻き壊して浸出液が出てこないことの方が問題だと思います。そのため多少、水はけを良くする薬が入っているものを用います。
代表処方
黄連解毒湯・・・全身の炎症で痒みの強いものに用います。とても苦い薬です。
越婢加朮湯・・・皮膚が赤く腫れているときや浸出液の多い時に用います。胃もたれなどを起すことがあります。

漢方的アトピー治療法その4
血虚(皮膚の保湿、バリアー機能の低下しているタイプ)
実際には脾虚がベースにあることが多いです。いわゆるカサカサ肌です。内服はもちろんですが、保護・保湿などのスキンケアがとても重要です。
治療原則は補血といって、皮膚の再生、保湿を促進させるものを用います。ただし補血剤の多用は痒みを助長することがあるので、消炎作用のある漢方薬を組み合わせた処方を用いるのが一般的です。
代表処方
当帰飲子・・・皮膚がかさかさして痒みはあるが、炎症がほとんどないものに用います。

漢方的アトピー治療法その5
気滞(ストレス、自律神経の異常)
鉗の強い子やお母さんが神経質な場合に起こりやすい傾向があります。症状がお母さんの精神状況に比例したり、退屈なときや怒られた時に悪化しやすい、季節や天候の変化に影響を受けやすいなどの特徴があります。症状は様々です。
治療原則としてはお母さんがのんびりかまえる。ちょこちょこストレスを発散させる。自律神経の機能を整えることなどです。
代表処方
柴胡清肝湯・・・実際には気滞と湿熱の混合したタイプに用います。
加味逍遙散・・・気滞で主に上半身に症状が多い場合に用います。

総合療法について
漢方薬だけでうまくいかないケースもあります。それは原因が様々だからです。