漢方薬の副作用
漢方薬には副作用がないとかほとんどないとか言われている一方で、時として漢方薬で人が死んだなどと新聞を賑わせることがあります。このようなことがなぜ起こるのでしょうか?
漢方藥で最も大事なのはその人の証に合った薬を用いることです。証とはその人の体質と現在の症状などを総合したものです。具体例を挙げて説明しましょう。新聞で以前盛んに取り上げられた小柴胡湯での死亡例についてです。小柴胡湯は肝臓疾患に良く使われ、よく効く薬ですが、この薬の基本的性質として、乾燥させるということがあります。漢方で内臓は5つ(肝、心、脾、肺、腎)の臓器からなると考えられています。その五つの中で乾燥に弱い臓器は肺です。つまり小柴胡湯によって乾燥に弱い肺が乾燥して空咳などの症状を起こし、さらには乾燥状態がより進行して起こる間質性肺炎を起したと考えられるのです。これは漢方的に考えれば肺の乾燥によって起こる疾患です。つまり小柴胡湯の性質と基本的知識があれば空咳が出たとしても予防できますし、このような症状が出てくることも予測できたはずです。またこの薬を長く用いるためにはこの乾燥を防ぐ薬を一緒に用いる必要があることはおのずとわかります。ではなぜこのような問題がなぜ起こったのか?それは生薬の基本的な性質を理解しない人間が病名診断で用いたためです。これは副作用というより誤用に他ならないのです。
漢方薬は基本的な性質を知っていれば重篤な副作用がほとんど起こらないのも事実なのです。
| 漢方薬の基本的な考え方の例 | ||
| 適応(作用) | 不適応(副作用) | |
| 潤す性質の薬 | 乾燥傾向のあるもの | 軟便傾向の人(胃腸に潤いがある)→下痢 |
| 血行改善の薬 | 血行不良 | 出血傾向のあるもの→出血が止まらない |
| 元気にする薬 | 元気のない人(低血圧) | 元気な人(高血圧)→さらに血圧が上がる |
上記したものは多分皆さんが見られても当たり前だと思われるかもしれないのですが、このようなことを知らずに漢方薬を処方している方は結構おられるのです。