更年期障害を中医学(漢方)で考える
従来の古典的中医学で更年期を考えてみます。
1閉経について
中医学(漢方)の最も古い医学書のの一つに黄帝内経というものがあるがその中の『素問』上古天真論篇には次のようなことが書かれています。
「女子は七歳にして、腎気盛んに、歯更まり髪長ず。二匕(14歳)にして天癸至り、任脈通じ、太衝の脈盛んにして、月事(月経)時を以って下り、・・・・・七七(49歳)にして任脈虚、太衝脈衰え、地道通せず(月経閉止の意味)、故形体衰え子ができなくなる」とあります。
要約すると
女性は14歳ぐらいに初潮が始まり、49歳ぐらいには閉経するのが一般的だということです。
それに深く関わっているのが東洋医学的に言えば、任脉、衝脈、腎気、天癸などです。
2更年期について
中医婦人科では閉経のことを断経あるいは経絶といい、その前後には一定の症状が出現します。これを「断経前後緒証」といい症状としては倦怠感、怒りっぽい、意識がはっきりしない、眩暈、耳鳴り、動悸、不眠、健忘・腰背部の疼痛、手足煩熱、焦燥感、顔面紅潮、汗出などです。これが更年期に相当するものです。
3中医学(漢方)から見た更年期の原因
腎虚・・・現代的に言えば老化です
肝気鬱結・・・現代的に言えば自律神経の乱れ
心脾両虚・・・現代的に言えば精神的なストレスと過労、胃腸の問題が複合したもの
血虚・・・貧血よりも広い意味、血が足りない状態、血液の栄養状態が良くない、性ホルモンのバランスが崩れている状態
4中医学(漢方)からみた更年期の治療原則
腎虚に対して・・・補腎(老化を遅らせる)
肝気鬱結・・・疎肝理気(自律神経の調節機能の回復)
心脾両虚・・・健脾益気、養心安神(胃腸を整え、身体を元気にし、精神を安定させる)
血虚・・・養血、補血(血液を増やす、栄養状態を良くする、性ホルモンのバランスを整える)
5更年期治療の代表処方
腎虚・・・右帰丸、左帰丸
肝気鬱血・・・加味逍遙散
心脾両虚・・・帰脾湯
補血・・・当帰製剤(当帰芍藥散)
6実際の漢方治療は
実際には上記の原因が複合しているのが一般的です。そのためそれらの原因に合わせ漢方薬を何種類か組み合わせ服用していただくことをお勧めしています。それ以外に養生法の実践及び生活の中での注意事項を実践していただく必要があります。