肺がんとは

肺の機能
肺は肺胞において二酸化炭素を排出し、酸素を体内に取り込む働きをしています。

肺の形状
肺には左肺と右肺右肺があり右肺は3つの肺葉(上葉、中葉、下葉)からなり、左肺は2つの肺葉(上葉と下葉)に分かれています。肺は気管支と呼ばれる左右の分かれた管とそれがさらに再分化した細気管支と呼ばれるより細い管と木の枝のように肺内に広がり、末端に無数に存在する肺胞からなっています。

肺がんの発生傾向
男性のガン死亡率で1位であり、女性では2位です。肺がんは50歳以上に多く、男女比は約3:1です。肺がんによる死亡者数は一年間で約5万人です。肺がんの5年生存率(治療開始から5年間生存している割合)は25〜30%といわれています。

肺がんの原因
肺がんの大きな要因(危険因子)として喫煙があげられます。特に小細胞がん、扁平上皮がんは喫煙との因果関係が深いといわれています。たばこを多く吸う人ほど肺がんにかかりやすくなり、一般に「重喫煙者(1日の本数×喫煙年数=喫煙指数が600以上の人)」は、肺がんの「高危険群(リスクの高い人)」といわれています。毎日喫煙する人は非喫煙者に比べ、約4.5倍肺がんのリスクが高くなります。また、喫煙の開始年齢が若いほどリスクが高くなり、20歳以下に喫煙を開始すると非喫煙者に比べ、リスクは6倍近くなります。また喫煙は喫煙者本人だけでなく、まわりの人にも影響を及ぼすといわれています(受動喫煙)。10〜20%の肺がんは、喫煙と関係がないといわれています。大気汚染や他の環境要因、放射性物質、アスベストなどとの関連も指摘されています。

肺がんの診断
肺がんの診断は胸のレントゲン検査、痰の中の細胞検査をします。それ以外に痰が出ない場合や痰で判断できない場合に気管支にファイバースコープや気管支鏡を挿入して組織を採取する気管支鏡検査、気管支鏡が病巣に届かなかった場合は穿刺吸引細胞診等を行います。首のリンパ節がはれている場合、リンパ節の細胞を摂取するリンパ節生検を行うこともあります。

肺がんの症状
どの肺がんにも共通する症状は、治りにくい咳、痰、血痰、胸痛、呼吸困難、体重減少、発熱、嗄声、息切れなどですです。その他、肩こり、肩痛、背中の上部痛、肩から上腕にかけての痛みもまれにあります。他のがんと同様に易疲労感、食欲不振、体重減少があらわれることがあります。
このように肺がんの一般症状は、風邪などの症状と区別がつかないことが多いので注意が必要です。長期喫煙上記に書かれた肺がん原因に心当たりのあるかたで、なかなか治りにくい咳、血痰、胸痛、喘鳴、息切れ、嗄声、発熱などを認める場合には医療機関の受診をお勧めします。

肺がんの標準的治療
手術と放射線療法、化学療法レーザー治療などが行われていますが、手術は早期肺がんの場合に行われます。手術方法としては、肺の患部を部分切除する場合と肺葉切除とに分かれています。放射線治療は非小細胞がんでは手術できないI期からIIIa期、胸水を認めないIIIb期、小細胞がんでは限局型が対象となります。化学療法は小細胞ガンでは効く場合がありますが、非小細胞ガンでは効きにくいというのが一般的です。また内視鏡を用いたレーザー治療などは気管支の内腔に発生した肺門型の治療に用いられます。

肺がんの予後
小細胞ガンと非小細胞ガンによって異なります
非小細胞ガンの場合治療開始からの5年間生存する割合(5年生存率)は、T期〜V期になると(I70〜25%にダウンします。手術ができないIII期で、放射線療法と化学療法の合併療法を受けた場合は5年生存率は0%に限りなく近づきます。小細胞ガンの場合限局型で放射線療法と化学療法の合併療法を受けた場合5年生存率は25%といわれています。