男性不妊と漢方治療
 西洋医学では男性不妊の原因は精子の数(精子密度)の低下、及び運動能の低下等が考えられていますが、漢方(中医学)ではその主な原因を腎精不足、お血、気虚、肝気鬱結などと考えています。その中でも一番多いのは腎精不足を中心とした複合型です。そのため漢方治療としては補腎をベースに治療を行うのが一般的です。
漢方(中医学)では腎臓は両親からの生命力を受け継いだ、生命力の根本であり、生殖機能の中心と考えられています。腎精とはとくにその生殖機能をさしています。
この臓器の機能は加齢、慢性疲労、過度な性生活などで低下しますし、先天的に弱い人もいます。そのような人には補腎薬という、腎臓(生殖機能)を強化する薬を用いることによって徐々に体質を改善してゆきます。ただもともと胃腸が弱く疲れ易い方(気虚)はこの薬を飲んでも十分に吸収できない場合があります。このような時は胃腸の働きを強め元気にする補気薬を併用することでその効果を高めることが出来ます。
 また現代のようなストレス社会ではこれが引き金となって自律神経を乱し、体調不良を引き起こしているタイプ(肝気鬱結)の人も増えてきています。このような人は補腎薬に自律神経を整えて行くお薬を併用することで効果が高まります。
 食生活が片寄りがちで、高カロリー、野菜不足、睡眠不足、ストレスの多い生活などの人は血液がドロドロになり、血管が痛んで血液の流れが悪くなっています(お血)。これによって生殖器官に十分に栄養や酸素がゆきわたらず精子の数や運動能を低下させることがあります。このよう方には補腎薬に血液をサラサラにするお薬を併用することで効果が高まります。
 インポテンツなども男性不妊の要因の一つになりますが、これは腎虚をベースにした複合型の方が多いので、補腎薬にその人の問題に合わせた薬を組み合わせることで改善されます。