漢方的アトピー治療法(大人篇)
大人と子供の漢方治療の違いは消化器系の問題が少ないということです。それ以外に老化が関係してくる場合が出てきます。あとは重要なのはストレスと歯科充填物の問題や長年摂取してきた、化学物質(洗剤や環境ホルモン、重金属類)の体内の蓄積、食生活を中心とする生活リズム、姿勢などです。またアトピーとリバウンド、ステロイド皮膚症の考え方及び治療の考え方の認識不足による悪化、など複雑化しているのが特徴です。

大人のアトピーに多い漢方タイプ

漢方的アトピー治療法その1
肝気鬱結(気滞)
簡単にいえばストレスによるものです。ストレスは交感神経を過亢進させ、顆粒球の数を増やします。そしてこの顆粒球は活性酸素を放出するため、ストレスで活性酸素の量が増えるのです。この活性酸素によって体内の脂質が酸化され、細胞膜は脂質でできているため、最終的に細胞が酸化され、これが皮膚の保湿機能破壊の原因となって、皮膚乾燥、外部からの刺激の影響を受けやすくなり、最終的にアトピーとなってしまうようなものです。

代表処方
柴胡清肝湯・・・ストレスが強い、もしくは神経質で血虚(皮膚乾燥傾向)が強い場合に用います。
十味敗毒湯・・・ストレスがあって、乾燥がある、皮膚状態はそれほどひどくないが痒みがある場合に用います。

漢方的アトピー治療法その2
血虚(貧血傾向)
簡単に言えば血液不足、血液の栄養状態が悪い場合です。代表的には老人性の皮膚掻痒症がこれにあたります。このような症状の方の皮膚は表面がテカテカしているもしくはパリパリのなっていたり、粉をふいていたりします。そのため皮膚に潤いを持たせることが最も重要になります。

代表処方
当帰飲子・・・血を増やす、もしくは血液の栄養状態を改善することにより皮膚の乾燥状態を改善し、それによって皮膚の痒みを取り除きます。

漢方的アトピー治療法その3
陰虚(体液不足)
簡単に言えば体液不足です。では上記の血虚とどう違うのか?これは皮膚の乾燥+のどの渇きや寝汗、夜間に痒みが悪化するなどの症状を伴うものです。

代表処方
三物黄ごん湯・・・三種類の生薬から成り、皮膚に潤いを持たせる成分と、痒みを取る成分が含まれています。

漢方的アトピー治療法その4
湿熱
ジュクジュクした皮膚の状態を指します。分泌物が多いタイプということです。

代表処方
黄連解毒湯・・・4種類の苦い生薬から成ります。苦い生薬は寒性(熱を冷ます作用)であると考えられています。またこれらの多くが燥性でもあるため、じくじく状態を乾燥させると考えられています。

漢方的アトピー治療法その5
腎虚
老化による皮膚のバリアー機能の低下の状態を表します。多くは陰虚症状を伴います。

代表処方
八仙丸・・・8種類の生薬からなります。六味地黄丸という老化予防のお薬に皮膚を潤す2種類の生薬が加わったものです。

漢方的アトピー治療法その6
お血
血行障害に伴う皮膚症状
に用いる。お血の場合は皮膚が黒くなっている。長期化している皮膚症状に用いる。

代表処方
大黄牡丹皮湯・・・お血を改善し、便秘を改善し、身体の熱を冷ます。

その他
現実には上記のようなものが複合したタイプになります。その代表的なものと処方を挙げておきますが実際にはその組み合わせは相当の種類があります。人それぞれタイプは異なるのです。

漢方的アトピー治療法その7
血虚+湿熱
代表処方
温清飲・・・上記の黄連解毒湯と血虚を改善する四物湯の合方です。
消風散・・・温清飲よりも湿熱が強い場合に用いる

漢方的アトピー治療法その8
血虚+陰虚
代表処方
滋陰降火湯・・・体液・血液を増やし、潤いを持たせる生薬と熱を冷まし、痒みをとる生薬からなる。

漢方的アトピー治療法その9
湿熱+お血
代表処方
治頭瘡一方・・・血行を改善する生薬を多く含む。またジュクジュク状態を改善する生薬と赤みを取る生薬も含まれる。